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それは、800年もの昔のこと。 帝宮神社という神社の境内に可愛らしい二人の女の子が遊んでおりました。 「ねぇ、時(とき)、桜が見たいわ!」 と、一人の少女が言いました。 しかし、今は霜月。 神社の境内は、赤や黄色の様々な色の落ち葉で埋め尽くされ、錦織のようだったと言います。 時と呼ばれた柔らかな春を思わせる茶色の髪をもつ少女はうなづいて、枯葉を実らせる桜の木へと向かい、呪文のようなものを唱え始めになられました。 「我示さん! はるへの時のみちを!」 すると、どうでしょう。 少女が唱え終わった途端に枯葉しかなかった桜の木が見事な桜を咲かせていたのです! 時はもう一人の少女を振り返って微笑みました。
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