ある発明

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応接室を出ると、エス博士は少し奥の鉄の扉を開けた。 おそらくこの部屋がエス博士の研究室なのだろう。 中はかなり広く、意味の分からない装置などが置かれていた。 下手に弄りまわさない方がいいだろう。 部屋の奥にひときわ大きな装置があった。 大きさは、ちょっとした小屋くらいあるだろうか… 地面から伸びた沢山のパイプや、幾つものケーブルがからみつき、横にあるパソコンとつながっていた。 数え切れないほどのランプはチカチカと不規則に光り、様々なメーターが様々な数値を指していた。 まだまだ問題があると言っていたが、確かにまだまだ実用的ではないだろう。 「どうだい、これが僕が作り上げた人類の夢が詰まった装置だよ」 「確かに凄い装置だ…… 業務用冷蔵庫くらいの大きさに小型化できたら実用化できそうだね」 「大きさは確かに問題だけど、僕の考える問題はそれじゃないんだ。」 「そうなのか? さっきの料理を思い出すと、普通に使う分には問題ないと思うが?」 「まあ、ただ食べる分にはね…」 「君の考えるこの装置の問題点とは?」
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