ある発明

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「まずは、栄養面だね。 どうしてもこの装置から作ると栄養が劣るものになってしまうんだ。 このあたりは、いずれサプリメントなどで補えば大丈夫だろうし、肥満の人にはむしろ朗報になるだろう。」 私はパラパラと走り読みしながら 「栄養面に不安?」 「あと、これはまだ解決方法が見つかっていないんだが、量の問題だね」 本はラピュタからバルビバーニにと舞台を移す。 昔ラピュタに行った若者によって素晴らしい文化を放棄し、役に立たない研究に血道を上げる人々の国だ…… 読んだ覚えはない。 完全に忘れているのだろう。 「大量に作れないのか?」 「こればかりは原料が原料だからなあ… でも、実用化できたら、きっと人類に幸福にできるはずなんだ。」 私はバルビバーニのところを注意深く読んで行った。 きっとこの中にエス博士の発明のヒントがあるのだろう。
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