5人が本棚に入れています
本棚に追加
本音を言えば、私は別に行きたいとは思わなかった。
だが、先に言った通りエスの家はこの街の名士だし、下手に断って悪い印象を持たれるのはあまり良いことではない。
エスが指定した日は仕事だったが、予め上司に断りを入れ、その日は早退させてもらうことにした。
気の利かない男だが、考えてみればエスは仕事もせず、ずっと研究を続けている変わり者だから、もはや曜日の感覚など無いのだろう。
毎日、日曜日みたいなものなのだから、当然といえた。
それにしても、エス博士の研究とはいったい何だったのだろう?
私は不安を胸に、その日を迎えた。
最初のコメントを投稿しよう!