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「お~い、ムムー朝だよー」
まだ外は薄暗い中、とある田舎町の小さな小さなパン屋で、せっせとパンを作っている双子の兄トムが、寝坊助の弟ムムを呼びます。
「ん~おはよう。トム」
まだ眠たい目を擦りながら、ベッドから起きてきたムム。
「おはよう。ムム、顔を洗ったらパンを焼いてー」
いくつものパンの生地を捏ねて形を作りながらトムはムムに言いました。
「オッケー」
返事をしながらムムは得意気にお腹をポンと叩きます。
―まだ幼いふたりが、ふたりだけでパン屋を営んでいるのには、理由があったのです。
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