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遡ること数年前。
トムとムムの両親はこのパン屋を営んでいました。
トムとムムもパンが大好きで進んでお手伝いをしていました。
小さな店構えでしたが、美味しいパン屋の評判は田舎町中に広まり、いつも朝から大忙しです。
「今日もありがとね!ピーターさん」
ラズベリーパンを手にニッコリと微笑みながら、ウサギのおばあさんがお礼を言って帰って行きます。
※ピーターとはパン屋を営んでいる一家の名字である。
「喜んでくれて良かったね!」
…とニコニコ笑顔のトムとムム。
「―いらっしゃい」
早くも次のお客さんが来たのでパパは声をかけます。
「おはよう~ピーターさん!今日はミルクパンとクルミパンをお願いしようかね」
まるまるとした大柄なクマの大将がやって来ました。大将は魚屋を営みながら、朝はこのパン屋のパンを食べて、魚屋に出す魚を捕まえに行くのが日課になっていました。
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