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「あったかい…」
ゆきちゃんは、あったかいココアも持ってきてくれた
濡れて冷え切った体が温まり、思わず笑みがこぼれた
「あ。服ありがとう。」
言い忘れていたお礼を口にする
「あ、うん…」
ゆきちゃんは、俯いている
何か怒っている様でもある
ずっと気になっていること…
それを聞くなら今しかないっと思った
「ゆきちゃん、最近何だか変だけど…何かあった?」
恭の言葉に、びっくっと体を強張らせる
困ったような表情で
「何もないよ…」
っと小さな声で呟いた
(何もないって感じじゃないじゃん)
隠し事をされているようで、ちょっと嫌な気分になった
「ゆきちゃん!!隠し事しないで」
<隠し事>
その言葉に、衝撃を受けた
その<隠し事>を伝えたら、君は僕の前からいなくなるじゃないか…
そもそも<隠し事>をしているのは…
言えない…何も言えない。
友達としているいつづけるなら…
今は何も言えない
自分の言葉に、傷付いた様な表情を浮かべるゆきに恭は、自分が言い過ぎたと反省した
「ごめん。服まで借りて、迷惑掛けてるのに…酷いこと言っちゃてる…私」
いつも明るい恭が、落ち込む姿を見てゆきは一層落ち込んだ
(そんな顔しないで…)
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