0人が本棚に入れています
本棚に追加
「酷いよ…酷い…」
恭ちゃんは、怒りに震えている
「ご、」
ごめん、っともう一度誤ろうとしたけど、それを遮って恭ちゃんは叫んだ
「おかしいよ!!家の為に、ゆきちゃん…じゃなくてヨシキを女の子として育てるなんて…間違ってる!!」
恭は、どんっと机を握りこぶしで叩いた
ココアがちゃぷんっと波打つ
その迫力に、ヨシキは自分が怒られた訳でもないのに「ご、ごめん」っともう一度謝った
「ヨシキもおかしいよ!!」
おかしい!!っと恭は、絶叫した
(えぇっと…声大きいな)
近所迷惑は心配ないけれど、離れで休んでいるお手伝いさんたちに聞こえるんじゃないかとドキドキしてきた
「ヨシキは…女の子らしいくない、私嫌い?気持ち悪い?そう思ってたの?」
恭ちゃんは、悲しそうな顔をしている
僕は、首をぶんぶんと横に振って
「そんなことないよ」
っと否定した
(むしろ大好きだよ…ずっと伝えられなかったけど…)
「じゃ、何も関係ないじゃん。」
大きな瞳から、ポロリと涙が零れる
涙の理由がどれなのか検討が付かない
ただ、僕が傷付けた事は間違いない
「由紀はヨシキじゃん?」
「今は、自分らしく生きることが難しいかもしれないけど…私の前だけでは、ゆきちゃんじゃなくてヨシキでいていいよ…」
言葉を呟くと同時に、ポロリポロリっと涙が零れる
「私は、ゆきちゃんでもヨシキでも大好きだよ…。」
大好きという言葉に、胸が熱くなるけど…この好きは<LOVE>じゃなく<LIKE>なんだろうと思ったけど、それでも自分を受け入れてくれる存在が嬉しかった
「まっ、たまに女の私より可愛いくて嫉妬しちゃってたきとあったけど…」
鼻声で恭ちゃんは、恥ずかしそうに呟いた
最初のコメントを投稿しよう!