第1話

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秋の夜。 枯れ葉の舞落ちた散歩道は、誰かが歩けば、枯れ葉を踏むカサカサという音がする。 俺は次第に大胆になって、せつ子のワンピースの胸元をはだけ、豊かな乳房をヤワヤワと揉みしだけ、キスを繰り返した。 そして、スカートの中に指先を滑り込ませると、せつ子の花びらに触れ、濡れそぼった花びらを押し分けると、指先を花園に侵入させた。 その間もキスを続けていたから、唇を塞がれたせつ子は、荒い鼻息を繰り返し、唇を離した瞬間に、いきなり俺の耳たぶを噛んだ。 一瞬、せつ子が性的に慣れているなと感じた俺の、その微妙な意識を察知したのか、または、本人が噛む事で我に返ったのか、せつ子は、俺の花園の中の指先を押し戻すように、俺の腕を掴み、言った。 『もう帰らないと。』 言われて時計を見ると、確かにかなり遅い。 せつ子が服装を整えるのを待って、俺達はバス停に向かって歩き始めた。 夜の9時半過ぎでは、朝晩や日中はかなり本数もあり、人口も多い町とはいっても、やはり本数は激減する。 やっと駅のロータリーに着いた時には、せつ子の住む町への、最終のバスが出てしまった後だった。 勿論、今のようなラブホなど、大都会の繁華街近くにしか無かったし、そもそもラブホという言葉も無くて、待ち合いとか、連れ込みホテルとか、逆さクラゲとか言われていた時代だ。 貧しかった我が家は、六畳一間に、母と弟の3人暮らし。 だから俺は、付き合った女性の部屋に夜中に忍び込んだり、誰も居ない時間に訪れたりして、男女の関係を持ってきたのだから、この状態には困った。 そこで俺は、中学校の同級生で、叔父さんの土建会社に住み込みで働いている友人を頼る事にした。 友人の会社は、事務所の2階が泊まれるようになっている。 以前付き合っていた女性の時に同じ様な事があり、その時は、仕方なく市民球場まで歩いたのだが、そのベンチでタバコの火を見付け、止む終えずに母校の中学校の、水泳部の部室で夜を明かした事があった。 やはり寒く、結局は一晩中抱き合っていないと、寒くて寒くて仕方がない状態で、考えようによっては、淫らで熱い夜になってしまったのだが、その話しをこの友人にしたところ、俺のところに来れば良かったのにと言われていて、最初に頼ったのがせつ子だった。
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