772人が本棚に入れています
本棚に追加
あたし……………
ブルッと身体が身震いする
この先には踏み込んじゃいけない…
意識の奥でそういう声が聞こえる
「離して下さい」
静かな声でそう呟くと
鮎川はゆっくりと憂から離れた
「鮎川さん、いい加減にしてください」
「はいはい」
鮎川はいつもの軽いノリに戻ると
「なぁ~マジで腹ペコなんだけど………」
子供のようなあどけない顔で憂の顔を覗き込んだ
「…………わかりましたよわかりましたよ…ご飯行けばいいんでしょっ!!」
半ば諦め半分にヤケクソで答えた
「うん」
鮎川はにっこりと笑うと、振り返り、歩き始めた
憂はその後ろ姿を見つめながら小さくため息をついた
(━━━━……)
最初のコメントを投稿しよう!