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食事を終え、車に乗り込んだ
さほど鮎川との会話も頭に入らず、
車の中でも静かに前方の赤いテールランプを見つめながら、ぼんやりとしていた
この人は………
「なに?静かじゃない?」
沈黙を破るかのように鮎川が話しかけてきた
「いえ別に?」
騒げば騒ぐほど悪い方向へいくような気がして、憂は静かに返した
「ふーん、」
「あの…」
憂は重い唇をひらくと
「私はきっと貴方のモノにはならないですよ?」
落ち着いた口調で淡々と言った
「あ?別にわかんなくない?そんなの」
駄目だ………この人には何を言っても無駄だ………
「そう……ですね…」
重いため息とともに脱力感でいっぱいになる
「俺初めてなんだよ」
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