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鮎川が去ってから一時間ほどが過ぎた
亮はエントランスの花壇にもたれかかるようにうずくまり、冷え込む空気の中で、凍えそうになる感覚で震えていた
これはきっと、すぐに行動をおこさなかった罰だ…
そう自分を戒めながら、気が付けば意識が飛んでしまっていた
コツ…コツ…
と、ヒールの音が耳に入ってくる
━━━━……誰………?
「……亮!!」
突然誰かが身体に抱きついてきた
「亮!?……」
激しく身体を揺さぶるその声は…
「………ぅ……?」
━━━━……憂?
「亮っ!?何してるの!?
ずっと居たの!?
こんなに冷えきって……
バカじゃない!!」
ギュッと抱きしめられた暖かさに、ゆっくりと意識がはっきりとしてゆく
━━━━……あぁ…俺そういや………憂を待ってたんだった………
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