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「可南子さん……」
憂は開けられたドアをくぐり部屋へ足を踏み入れるなり、不安げな顔で可南子に話しかけた
「話は中に入ってから……」
いつもとは違う険しい可南子の顔つきに、
憂は黙って中へ入った
「あ……どうして可南子さんは買収の話知ってるんですか?」
「…え?テレビ見てないの?貴方……
朝からずっとそのニュースばかりよ?」
「え……!?」
テレビなんてあんまり見てない…
「橘出版はかなりの大手なのに、凄いスピードで株の売買があったみたいよ……
晶君はまだ経営にはノータッチでしょ?
持株からの売買もなきゃ、買収なんてできっこないわ……」
「……………」
可南子が言っている意味のほとんどが理解できず、
黙って可南子の話を聞いていた
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