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元々あまり休みが無かった鮎川も、最近は以前にも増して忙しい様子で、
憂は何度も無理はしなくてもいいと言ったが、
鮎川は決まってそれを受け流した
落ち込んでいるようにも見える憂に、鮎川も手を出すような事も無かった
そんな日々が続いていたある日
いつもの様に憂は亜矢の所へ足を運んだ
季節はもう真夏に近いほど暑くなっていて、
セミの鳴き声が煩い程に響いていた。
「亜矢っ」
憂はいたずらにドアから顔をのぞかせると、窓の外を眺めている亜矢に声をかけた
「憂…っ!」
すっかり顔色も良くなり、落ち着いた様にも見える亜矢に、憂はにっこりと微笑んで
「差し入れ!暑いから、アイス買ってきたよ!」
そう言って、パイプ椅子を引きずりながらベッドの横に座った
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