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「あいつは生温い環境で、なんの挫折もないままここまで来た
甘えただし、我が儘だし
それで今までやって来てしまった事は
あいつにとって何にもためにもならない」
淡々と話す甲斐さんの言葉を、俺は黙ったまんま聞いた
「君達に巻き込まれてしまったとは言え、
結果的によかったと思ってる
君も、後々高橋グループのトップに立つんだから
もう少し世間の荒波には揉まれたほうがいい」
「…俺は…………
高橋の家はゆくゆくは出るつもりなんで……」
気が付けば、そう口走っていた
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