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六本木の交差点の手前でタクシーを降りると、俺は歩き慣れた道を裏手に入っていった
大通りのざわつきとはうってかえって、静まりかえった裏手をどんどんと入っていく
やがてコンクリートの打ちっぱなしの建物が見えて、俺は吸い込まれるようにそのビルの地下へと足を進めた
ここは甲斐さんが個人で経営しているバーで、晶とよく何度も来た事がある店だ
店内は個室に別れていて割と明るく、どの部屋も大きなソファがあってくつろぎやすい
店内に入るなり
「お久しぶりです」
と、少し驚いたような顔で顔なじみの店員が声をかけてきた
「晶と待ち合わせてるんだけど」
「伺っております」
店員がそう言うと、いつもの個室へと案内された
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