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先ほどまでの怒りが、嘘のように冷静に落ち着いていた 俺は50階建ての自社ビルの最上階の部屋で、マンハッタンの夜景を見下ろしながら、デスクの上で資料の全てに目を通した 現状の高橋グループの経営状況、他国にある各支店、うちがまだ未開拓のエリアの算出に、兄貴が関与しているであろう財界や政界、裏組織から全ての資料をしらみつぶしに漁り返す もちろんそんな簡単に探して出てくるはずもない 次第に息詰まり、 それでも目の前にある全ての情報を全て頭に叩き込む 何でもいい とにかく今は全てを把握する事が先決だ 夢中になりながらパソコンに向かっていると、部屋の入口のドアが自動音を響かせて開いた 「………やはり貴方様でしたか」
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