851人が本棚に入れています
本棚に追加
「あまりこういうやり方は感心いたしませんね」
「感心していただかなくて結構
どうせ葛城だって兄貴側の肩を持つんだろ?」
俺はパソコンに視線を戻し、呟くようにそういった
「そういう訳でもありませんが?」
耳の端に、葛城のやんわりとした声が届いた
「え?」
「別に慎一様の事は関係ございません
だだ、いきなり電話であのような事を聞かれて、すんなり話すほど口の緩みはない、といっただけです
急にどうされたのか、と思いまして」
「………」
「顔が腫れ上がってますが…喧嘩でもされたのですか?」
「…なぁ、どうして兄貴はあんなに周防に固執してんだよ?」
俺は葛城の問い掛けを無視して聞き返した
「そうですね…それは慎一様のお考えで私にはわかりかねますが…」
「…何だよ、葛城が何にもしらねぇなんて、そんなはずないんじゃないの?
知ってるくせに?」
俺は馬鹿にしたように笑いながら、葛城を見ようともせず、パソコンから目を離さなかった
最初のコメントを投稿しよう!