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「高橋の為じゃねぇ
あいつのやり方には何かひっかかるんだよ
それが知りたいから聞いてるんだ」
俺は兄貴と同じと言われた葛城の言葉に少しムッとしながらそう答えた
「知ってどうされたいのですか?」
「兄貴の考えてる事はなるべく把握したい
でも俺は俺のやり方でやる
俺は社内全体の立て直しのほうを優先に大事にしたい
表向きに合併を繰り返して規模を大きくしたって、中身がボロじゃ意味ねぇだろ?
兄貴が影で動かす金だって、母体の高橋の金が増え続けなきゃ意味ねぇ
しかも今の周防と合併する魅力が俺にはわからない
周防の経営なんて急下降してんじゃねぇの?
そんなところと合併したって、傷の舐めあいどころか、共倒れに近い行為だろ」
「ハハッ」
俺の言葉に、葛城が嬉しそうに笑い声をあげた
「なかなか最初はどうなるかと思っていましたが、
亮様は思っていたよりも面白い方だ」
は?どういう意味だよ?
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