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【神楽詩織】 神楽はうちの本社の中でも指折りのキャリアウーマンで、エリート中のエリートだ アメリカの有名大学をストレートで卒業し、男かおまけの凄腕の営業ウーマンだ 神楽の何かを貫いてしまいそうなほどの鋭い視線は、正直気持ちいい 何よりも、そのまっすぐな姿勢が、経営者としては魅力的な逸材だ 「……どうした?」 いつになく真剣な神楽に、首を傾げて返答した ちなみに神楽は俺なんかより五つも年上で そんな社会人の先輩に偉そうに上からものを言う俺の態度は、正直よろしくない でも、それは俺なりに考えた最善のスタンスだ ただでさえ七光りでナメられやすい上に、 ここはアメリカだ 日本ならまだしも、実力社会のこの世界で、ヘコヘコしてちゃあ面子まる潰れだ 何も後ろめたいことなんてない 実力で証明していけばいい そういう世界だ
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