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亮とは二、三日に一度連絡は取り合っていた 携帯電話のコールで海外にいるのはバレてしまうが、それは可南子の仕事でアメリカに来てあちこちリサーチしていると嘘をついていた 声を聞けば逢いたくなる けれど、すぐに逢える場所にいると思っただけで、不思議と以前のような不安にかられることもなくなった 一度受けたCMの仕事のおかげか、学校でも他国の友人達に憂の存在は認知されていた そういった小さな積み重ねが、折れかけていた心をまた修復させてくれた 周防の圧力で次のCMの仕事を断られたと、晶から聞いた 負けたくない ここで諦めたら全てを無くしてしまうかもしれない 弱りきっていた心と身体が、不思議と元気になっていくのがわかった やりたい事はたくさんある そのためにもここにきた
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