別れ
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そのリザーブしたホテルに、もう足を踏み入れる事はないだろう 目の前に運ばれた前菜を一口口に含もうとしたが、 心臓の鼓動の激しさに、思わずフォークを置いた 「…………慎一、は…………話があるの」 言葉尻が震え、膝に乗せた指先も震えた 「………どうしたの?体調でも悪いの?」 心配そうに可南子の顔色を覗き込む慎一の優しい態度に、 瞳からは涙が溢れ出した
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