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「………そ、そうだったの……」
繭莉の生い立ちの話を聞いて、憂もどう返していいのか言葉が見当たらない
どうしたって世界が違いすぎる話と、想像もつかない繭莉の立場に、安易にかける言葉などなかった
「……自立、したくなる気持ち
わかりますよね?」
真剣な顔で話す繭莉に
「…………う……うん?」
「最初は、モデルなんて簡単だと思ってました
憂さんを見た時、失礼だけど、私はハーフだし、憂さんなんか直ぐに追い抜くって…
思ってました。すいません…
でも、甘かった
落ち込んで、諦めそうになった私に、
そんな酷い事思ってた私に、憂さんは良くしてくれて…私、恥ずかしくて…」
「それで、ニューヨークまで?」
「憂さんの傍にいたら、何だかわかるかもしれないって
私にはないものが、あるんじゃないかって…」
「そっか…………
ない、よ?多分……」
アハハ、と苦笑いしながら憂が答えると、
「……いえ、そんなことないです」
ずいぶんと懐かれてしまった…
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