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行かないで…
僕も一緒に連れて行って…。
待って!
「…っ。」
いつの間にかソファーで眠っていたらしい。外は月が出て、電気もついていない部屋は月明かりに照らされるだけ。
またあの夢だった…
嫌な夢
不安
悲しみ
ここは彼氏の部屋。
僕は半年前に家族を失った。
死んだわけではない。
僕は捨てられた。
両親は新しい恋人を作り、僕はいらなくなった。
あの日必死に止めた声にあの人達は振り返ることすらなく、僕は全てを失った。
両親と連絡もとれず、絶望の中で僕に住む場所をくれたのが、その時付き合っていた夏樹さんだった。
『一緒に住もう?今日から俺の家が春の家だよ。雪さんと三人家族だね。』
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