プロローグ

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洗面所に向かい、寝癖がないかを確認して、手と顔を洗い、うがいをしてから歯を磨く。 「はあぁ……。」 鏡を見ながら溜め息をつく。 そこに映るのは黒髪を肩より少し上のところで切り揃え、怠そうな目をしているフツメンだった。 いや、フツメン以上イケメン以下と言える顔があった。 やっぱりアイツと比べるとフツメンだな………。 そんなことを思いつつ、歯を磨き終え、居間へ向かう。 「おはよう」 居間の扉を開けながらそう挨拶する。 しかし、返ってくる言葉はない。 父さんは会社の大きな仕事を任され去年から海外出張中だ。 母さんは、「男なら一人で頑張りなさい」という言葉を残して父さんについていった。 まあ、毎月振り込みあるしこうして生きているのだから別になんとも思ってない。 毎日の家事と勉強の両立は大変だけどそれなりに楽しんでる。 特に料理は楽しい。 料理本を見ながら作ったら失敗はないし、自分なりのアレンジを加えたりもできるからな。 今日も目玉焼きを作り、昨日の夕食の残りのおかずとごはんを温めて朝食を用意する。
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