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そして、両脇に木が沢山植わってる坂道を歩く。
自転車の人大変そうだな…。
とか思っていると、後ろから肩を叩かれた。
イヤホンをとりながら振り向くと、そこにはいかにもスポーツが得意ですみたいな男子がいた。
「おはよ、和」
「ああ、おはよう!影」
こいつの名前は池武 和也、同じバスケ部の友達だ。
挨拶の通り、いつも声がでかい。
「なんだよ、元気ないのか?」
「お前の声と比べるな、俺はこれが普通だ」
「皆そう言うんだよな。別に普通なのに」
「お前の価値観が皆と違い過ぎるんだよ」
「まあ、そう言う事にしておこう!」
こんな他愛もない話をしながら坂道を登り、下駄箱をぬけ、教室に向かった。
3階まで階段を歩き、後ろのドアから静かに教室に入ろうとしたが
「皆おはよう!」
と馬鹿の挨拶で視線が集中した。
皆が俺の後ろの人物を見ると、「ああ、お前か」みたいな顔をしつつ何人かが「おはよう」と返した。
俺は馬鹿の頭を叩いてから席に向かう。
廊下側の前から2番目、そこが俺の席だ。
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