342人が本棚に入れています
本棚に追加
彼女の名前は塚本 紗夜。
入学して直ぐにファンクラブが創設されたらしい俺の幼馴染みである。
整った顔に腰辺りまで伸ばされた栗色の髪、全体的に揃っているプロポーション、正に皆の憧れって奴だ。
本人曰く、「胸が小さいのがコンプレックスなの」らしいが、その体で胸がでかくなったらバランス崩れるぞ。
「影、おはよう!」
と、隣の席に座りながら大きい声で挨拶してきた。
俺の名前を呼びながら。
その瞬間、クラスの男子全員がこちらを向いた。
おいお前ら、視線が痛いわ。
お前らの方向いてないのにすげえ目で睨んでる絵が想像出来るくらいの視線だぞ。
しかし、ここで挨拶を返さずに無視していると紗夜がもっとうるさくなるので
「ああ、おはよ」
と紗夜を向きながら返した。
おい男子、視線が痛い、痛いから。
「塚本さん、おはよう!」
と和也が挨拶した。
お前、この視線の中、よく挨拶できたな。お前のそういうとこ見習いたいわ。
「池武君もおはよう!っていうか影、相変わらず元気無いわね」
最初のコメントを投稿しよう!