Chapter0

4/7
前へ
/484ページ
次へ
彼らの後ろ姿、時折見える横顔を見て、思う。 (誰がどう見ても美男美女。 知らない人が見たらカップ… いや、誰がどう見ても、ベストカップル。 その二人の近くにいる俺は、差し詰めただのお邪魔む… いや、だれも目を向けないから、アイツらの影…か。 2人と一緒にいると俺は……自分がみじめに感じる) 余談ではあるが、リクは運動だってそこそこできるし、勉強も人よりはできる。容姿だって悪くない。 それでも彼らの前では、常人以上のリクでも霞む。 (奏は身長が高くて、男前で、喧嘩も強いし、人望も厚い。 優奈だって身長こそ少し小さいが、可愛くて、優しいし、なんだって器用にこなす。 勉強に関して言えば、彼らは毎回の定期テストで1,2位を独占するぐらい頭がいい) 彼は、またため息を吐く。 (運動面で言えば、そうだな。 体育祭とかあると…ヒーロー扱いされてる。 まぁ普段は…アイドル扱いだが…) またさらに、ため息を一つ。 (誰も俺を見てくれたことなんてない。 俺なんか見てくれない) ズキリと心が痛んだ気がした。
/484ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1742人が本棚に入れています
本棚に追加