FILE.3【九紅殺人事件1】

7/14
前へ
/189ページ
次へ
 その美女は、擦れたセクシーなハスキーボイスで泣き喚く。  くーちゃんて誰のことだ?  美女に泣かれ動揺し、おろおろと慌てふためく俺の顔に、スッと影が差し込む。 「ヘイ、鶴八七君。何の騒ぎだ…………って、げっ!!!??」  いつも冷静沈着で完璧なポーカーフェイスの九の顔が崩れる。  さーっと顔色が真っ青になり、眼を丸く驚愕してその美女を見つめた。  美女は泣き止み、九と視線があった  その瞬間 「やーん!!!会いたかったわ。くーちゃああぁぁぁん!!!!」  ガバッと起き上がると、美女は満面の笑みを浮かべ、そのまま九に身体を密着させ胸元に顔を埋めた。  美男美女の抱擁シーンに、周囲の人も驚き振り返って見ている。  くーちゃんって……九のことか??
/189ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2201人が本棚に入れています
本棚に追加