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知り合い?
それにしては、やたらとべたべたしているような……まさか!!?
まさか――九の恋人なのか!!??
驚く俺を尻目に、九は美女の肩を掴むと深いため息と共に、べりっと身体を離す。
「離れろ……。そんな姿のユーとは会わないと約束したはずだ。大体、こんな所で何をしている!!?仕事はどうした?」
きつい口調でそう怒鳴ると、キッと射抜くような眼で美女を睨む。
美女は、悲愴な面持ちで九の手に自分の手を絡ませながら
「ひどい……昔は、あんなに優しかったのに。どうして?どうして急に冷たくなるのよっ!!」
空いた方の手で、自らの泣き顔を覆い隠す。
珍しい。
九は、全ての女性に優しい生粋のフェミニストだ。
それなのに、こんな美女を怒鳴るなんて……。
何か深い理由があるに違いない。
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