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ウーウーウー
とその時、けたたましいサイレンのような音が、校庭に響き渡る。
何だ?
パトカー??
廊下の窓から身を乗り出し外を覗く。
校庭の真ん中には、黒と白のコントラストが鮮やかな車が三台停まっていた。
車体の側面部分には、【籠鳥山警察】と書かれていた。
天辺には、回転灯がくるくると回りながら周囲に淡く赤い光を放つ。
間違いなくパトカーだ。
九と朱も口論を止め、同様に窓から校庭を見つめた。
「あれ……つっくんとこのパトカーよね?文化祭を見に来た訳でもなさそうだし、何か事件でもあったのかしら?」
「確かに……ブラックも来ているようだな」
九が指差す方向を見ると、一番手前に停車しているパトカーから黒ずくめの人物が降りてくる所だった。
真っ黒い背広と同色のネクタイ。
さらに漆黒のオールバックの髪に、褐色の肌で整った顔立ち。
ヘビースモーカーの強面警察官、九十九黒兵衛(ツクモクロベエ)だ。
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