FILE.3【九紅殺人事件1】

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 つっくんって……九十九のことか。  九十九は、あいかわらず不機嫌そうに煙草をスパスパと吸っている。  そして顎を使って部下に指示を出し、校舎内へと足を踏み入れた。                               「おい、あれ警察だろ?」 「警察が、学校に何の用だ?」  周囲の生徒や客たちも警察に気付き、何事かと顔を見合わせながらパトカーを指差し、一斉に騒ぎ始める。  近くで殺人事件でも起こったのか?  もしくは、強盗犯がこの学校に逃げ込んでいる……とか?  そんな現実味のないことを思案していると 「警察だ!!道を開けろっ!!!」  階段を上がり廊下の向こう側から、渋い深みのある声が聞こえてきた。  九十九だ。  数人の警察官を引き連れ、警察手帳を片手に叫んでいる。  そして、俺たちの前まで来ると足を止め 「久しいな、レッド。まさか、こんな形で会うとは……な」
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