FILE.3【九紅殺人事件1】

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「え……ブラック?」  ガシャン――  という金属が擦りあうような高い音と共に、九の両手に手錠がかけられる。  え?何だ??  どうして九十九が九に手錠を……?  驚く俺のことなど気にも留めぬ様子で、九十九はきっぱりと宣言した。                                                             「九紅。城之内未玖(ジョウノウチミク)殺害容疑で逮捕する」                                                              晴天の霹靂とは  まさにこんな時に用いる言葉だろう。  手錠をかけられ呆然と立ち尽くす九を見つめながら、俺はぼんやりとそんなことを考えていた――。
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