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九十九が肩に手を置き制止しようとしたが、その手を振り払う。
「離せっ!!九先生が……どうして?どうして自殺なんて!!?嘘だ――嘘だぁぁあああ!!!!」
俺の叫び声は小高い山の峰々に、やまびことなって静かに響き渡る。
信じられない。
信じたくない。
九が自殺なんて、するはずがない。
何か理由があるはずだ。
俺は、九が生きていると信じている。
だから捜し出す。
何年かけてでも、探偵になって――必ず九を捜し出してみせる。
JOKERのトランプカードを握り締め、俺はそう心に誓った。
また会える日まで、ほんの少しの間お別れだ。
さようなら。
九先生……。
FILE.3【九紅殺人事件00】完
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