FILE.3【九紅殺人事件1】

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 それにしても、今日は文化祭に来るのを楽しみにしてたのに……どうしたのだろう?  まだ来ていない朱華の事を考えながら、上の空で廊下を歩いていると  ドンッ  という鈍い音と共に、身体に衝撃が走る。 「やーん、いった~い」  ちょうど曲がり角で、人とぶつかった。 「あ、すみません。大丈夫ですか?」  そう言いつつ慌てて視線を向けると、そこには尻餅をつき横座りに倒れている女性がいた。  流れるような綺麗なつやのある黒髪。  筋通った高い鼻に、切れ長の漆黒の双眸。そして深紅のルージュが映える唇。  化粧がやや濃く、長身でナイスバディな妙齢の美女。  あれ?  この顔、どこかで……??  ミニタイトのスカートから覗く生足に、つい自然と眼がいってしまう。 「大丈夫じゃないわよ!!もう歩けない、くーちゃん呼んできて!!ここの先生でしょ?」 「へ?くーちゃん??」
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