5.秘密

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   考えて行動しろ、どんな理由をつけられても人気のないところにホイホイついて行くな、猫撫で声には下心がついて来ると思え、あと何言われたっけ。  おかげで、好きな男の子にさえ、両想いが確定するまでは警戒心ビンビンな、おカタイ女になっていた。  そんなあたしが、ただの流れで陣の車に乗るなんて、これまでからは考えられない。  お店のルールを気にする彼が、いきなりムチャするわけない──常識的なところではそう思うけど、万が一の時一番頼りにならないのが、そういう希薄なモラルでの推し量り。  いや、ややこしい理屈付けはもうやめよう。  寒いし陣と2人きりになりたいから、あたしは車に乗った。  これまでの【慣例】をブチ壊す程の、理由があって。  それは、キスの時瞼を閉じたのと同じ理由なんじゃないかと思う。  悶々とそんなことを考えていた。 .
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