5.秘密

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  【俺のもの】とか言われるの、好きじゃなかったのに。  あたしはモノじゃない、って反発する気持ちが沸き上がるから。  だけど、陣がそう口にした途端、【俺のもの】って言葉がものすごく淫靡に聞こえた。  彼のものになることが、ものすごく気持ちいいことみたいに。  あたしの無言の答えに、陣は「マジで?」と顔を傾ける。  あたしはもう一度、しっかりと頷いた。 「あのさ……俺、好きだとか言うの、苦手なんだ。それでもいい?」 「べ、別に言葉が欲しいタイプじゃないから、多分……」 「大丈夫。伝える努力はするよ。常にね」 「どうやって……?」 「……こうやって」  陣はそのままあたしの身体を引き寄せる。  そして、煙草の香りのする唇であたしの唇を塞いだ。  軽く、眩暈がする。 .
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