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やがて陣の熱い舌があたしの唇を割って、口内に侵入した。
さっきついた熱が、一気に上がる。
初めてでもないのに、何なんだこれは。
けど、陣はすぐにあたしの唇を解放した。
深夜だから後続車はいなかったけど、信号が青になっていたからだ。
いつの間にか、心臓の音がやたら速い。
深く息をついて、シートにもたれた。
すると、陣も同じように溜め息をつく。
「……ヤッバイ。姫の唇、気持ち良過ぎる」
「な、何言ってんの!?」
あたしが顔を赤くして車のドアに張り付くようにして身体を引かせると、陣は小さく笑った。
「褒めただけじゃん。何ビビッてんの」
「ふ、普通言わないでしょ。そんなこと」
「だって、普通こんなに気持ち良くないもん。この間もそう思ったし……」
「だからって……」
「なあ姫、この後どうする?」
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