6.追って来た過去

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   軽く昂揚する胸を撫で下ろしながら再び受付を見ると、堂本さんが少し緊張した面持ちで、さっきの2人を受付近くのソファーに案内していた。  あれは万が一満席になった時の為のソファーで、普段使うことはない。  満席でもないのに座らせる、ということはお客様ではないの?  目付きの悪い2人は、黒服が運んで来たお茶を受け取りながらペコリと頭を下げた。  その道の人、ではないよね。  店を出す時、叔父貴はそれまで働いていたホストクラブのオーナーを通して、ここらへんを仕切っているグループの幹部にちゃんと挨拶をした筈だし。  あたしが気にすることではない、か。 .
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