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それからお父さんを引き取る為の書類何枚かに、サインと押印をした。
その頃、澤村さんが車と共にやって来た。
「ええと、役所も行って来ました。洋一さんの住民票、移して来ましたので」
何でも、住民票のある市町村以外で火葬や葬儀を行うとなると、余計な費用がかかるらしく、死亡届の提出や火葬許可書、埋葬許可書を貰う前に住民票を移動してしまいました、ってことらしい。
何だかややこしい話は、叔父貴に任せることにした。
「火葬って、いちいち許可がいるんだね。知らなかった」
ポツリと呟くと、ひたすら出発を待っているだけの陣が、煙草に火を点けながらあたしに答える。
「そういや死体に傷を付けると、罪になるんだよな」
「解剖とかは?」
「司法解剖っていうくらいだから、大丈夫なんじゃない?」
でなきゃやらないよね、と2人で苦笑した。
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