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新幹線で2時間ちょっと、新神戸駅を降りると、昨夜のうちに戻っていた藤原さん達が出迎えてくれた。
お迎えはてっきりパトカーかと思えば、普通のセダンで驚いた。
覆面パトカーってやつなんだと、山本さんが笑いながら教えてくれた。
「僕、用意してある車を回して来ますから、行っていて下さい」
一緒に来た葬儀社の澤村(サワムラ)さんとは、そこで一旦別れる。
澤村さんは市内の系列の葬儀社からワゴンを借りて来て、それにお父さんを乗せて帰るわけだ。
「お話早くて、助かりました。早速、署の方へ行きましょか」
藤原さんはくわえ煙草でうんうんと大きく頷くと、自分は助手席に乗り込んだ。
山本さんが運転席に乗るのを見て、どこの世界も若い人間をこうして細かいことに使うものなのだとぼんやり思った。
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