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仕事を終えたあたしが浮かない顔をしているからか、陣はメシ食いに行こう、と誘ってくれた。
付き合ってるんだから、一緒にいるのに理由なんて必要ないんだけど。
自分から「1人でいたくないの」なんて言えない意地っ張りなあたしは、陣の物おじしない態度にこうして救われる。
……ていうか、あたしからそんなこと言ったら、違う夜になっちゃいそうだな。
「はーあ、そんなことがあったの」
叔父貴と藤乃さんが付き合っていることはとりあえず伏せておくべきかとも思ったけど、陣が聞き上手な為に、あたしは結局全部話してしまった。
自分は職場恋愛をしてるくせに、陣には偉そうに言ったから、一瞬迷ったんだけど。
けど、陣はそこを完璧にスルーしてくれた。
よかったね、叔父貴。
「けど、藤乃さんが何してようが、俺らに出来ることはないよな。表面上、仕事はちゃんとしてるんだし」
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