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「姫?」
「……エッチなことしてって言わない代わりに、ギュッて抱きしめて欲しい」
「……あのね、またそういうことを……」
呆れたようにそう言いながら、陣は潰れた缶を足元に転がし、あたしの腰と背に手を回し、そのまま抱きしめてくれた。
「判ってると思うけど俺、オスだから」
「……別にあたしはいいんだけど。これ、もう八つ当たりじゃないよ?」
「だから、煽らないで。ケジメなんだから、協力しなさいよ」
拗ねた口調に、またあたしはクスクスと笑う。
あたしの耳の後ろで大きく溜め息をつくと、陣は低く呟いた。
「見てろよ。その時は容赦しないから」
「うん、楽しみにしてる」
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