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居てもいいと安心出来る居場所があって、胸を焦がし合える人がいて。
あたしは、これだけで充分幸せなんだけどな。
──藤乃さんの行動は、近い将来あたし達皆に少なからず波乱をもたらす。
それを考えたら、憂鬱だった。
だってさっきの話だけで、叔父貴のことが心配で堪らない。
ずっとお父さんとお兄ちゃんをやってくれていた、一番身近だった人。
叔父貴はあまり表に出さないけど、彼の情の深さは、あたしがよく知っている。
あの優しい人が、女の人に傷付けられるなんて似合わないんだもの。
だから、何かの間違いであって欲しかった。
間違いでないのだとしても、修復出来るものならば、叔父貴に知られないうちに元に戻って欲しいと思った。
……何だろう、この感じ。
すごく胸がざわざわする。
叔父貴と藤乃さんのことを考えると、不安で堪らない。
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