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「そりゃまた、どーして」
「あたしが、叔父貴の心配ばっかりしてるからだよ」
「そんなんで嫌がる男なら、お前の方から捨てちまえ。今までと同じようにさ」
ケロッとした様子でそう言った叔父貴に、胸の奥がカッと熱くなった。
「い、今までのは叔父貴が悪いんだからね!? いつもこうやって叔父貴のせいで駄目になるんだから! それにあたし達、聞いちゃったんだから! 何なのあれ! 藤乃さんに何言わせてんの!? あのせいであたし……」
そこまで言って、ハッと口を押さえる。
叔父貴は一気にまくし立てたあたしに一瞬目を丸くしていた。
けど、すぐにニヤリと笑うと、煙草を吸い始める。
「それって、俺がカッコ良すぎるとでも?」
呑気な叔父貴の声に、思わず毒気を抜かれてしまった。
思わず言葉を失ったあたしに、叔父貴は続ける。
「しかし、藤乃のアレをお前らが聞いてたとはね」
溜め息で煙を吐き出しながら、叔父貴は困ったように眉尻を下げて笑った。
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