16.拭われる不安

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   陣が、まだ学生なのに夜のバイトを選んだ理由が判った気がした。  ──ああ、だから、なんだね。  お互いこれ以上耐えられないから、今出会ったのかも知れないね。  涙がじわり、と滲んだ。  陣と、同じぬくもりを分け合っている。  以前と変わったことと言えばそれだけなのに、自分でも驚く程穏やかな朝を感じていた。  離れることなんて、出来ないと思った。  今夜も、これから先の夜も。  陣と一緒に過ごせるのなら、未来なんて捨てても構わないって。  それくらい強い気持ちで陣が好きだと、  一緒にいたいと思った。 .
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