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手を挙げた先生の処へ向かう。
俺の担任の先生はどんな人なのだろうか?
京都にいた時は、1年と2年の担任は変わらなそうだった。
あの先生嫌だったんだよなー。
今回の先生は、俺は好きになれるのだろうか。
そんな、期待を胸に先生の前に立つ。
「君が、銀城朔夜君だね?」
知っている人と声が重なる。
まだ、ちゃんと顔を見ていない。
それに気付き急いで顔を上げた。
「怜...さん?」
俺のよく知っている顔が目の前にある。
艶のある綺麗な黒髪。紫色の目。片端だけ口角を上げる笑い方。まさに、知的美人の言われる顔。この人は...。
俺の族、silverの初代総長。
高梨怜(タカナシレイ)だ。
この人が...教師??
「久し振りだね、朔夜君」
「あ、お久し振りです。怜さん、先生だったんですか?」
「うん。君に総長を任せたとき、内定を貰ってね。まあ、だから任せたんだけどさ」
ああ、だから急に俺を総長に任せたのか。
それにしても...怜さん...。
白衣ってことは理科、だよね?
「ふふ、まあ僕の授業は楽しみにしていてよ。さ、教室に行こう」
怜さんの言葉を合図で一緒に歩き出す。
「でも、怜さんが先生なんて何か不思議。怜さん、先生っぽくありませんから」
担任が怜さんだと分かり、普通に話せることに安心する。
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