―序―

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―序―

西の荒野に天子なき国あり その国の名を緋雅(ヒガ) その国の神は黒き神獣 名は戒治(カイチ) 正義と公正を司る祥獣である その額の角は仁徳のあるものを見抜く 戦の起こりし時には戦場に現れ、理に背く者を貫く また、覇者の正義を審判す よって即ち、かの国の領主は覇者にあり その覇者の名をリャン 氏は梁 リャンは覇道の申し子なり しかしながら人道重んじる仁徳の人なれば、その心に正義あり よって、今日まで国をよく治めてきたのであった これは、そんな国の昔話である。
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