プロローグ

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・・・・・ハッと急に目が覚めて、 視覚と思考だけで辺りの様子を伺う。 異様なほどに真っ暗な部屋、 大きめのベッドに洗いたてのシーツ、 なぜか裸で横たわっている私・・・・ そして後ろから覆い被さるように 抱きしめる大きな腕。 思わず腕の中で身を縮めると、 ほのかにムスクの香りが漂った気がした。 この人が、一体誰なのか、 それは見なくても、瞬時に思考が 昨日会っていたはずの人物を思い起こさせた。 けど現状が理解できていない自分。 ゆっくりと起こさないように その腕をそっとはがし、ベッドから起き上がる。 よかったかろうじて下着は履いてる。 ってそういう問題じゃないよな・・・ なんて自分に突っ込みながら ホテルの一室であろう 真っ暗な部屋の中を手探りで洗面所を探して歩く。
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