プロローグ

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洗面所の電気をつけて、鏡をじっと見る。 ・・・・・・なにこのヒドイ顔。 27歳にもなってメイクをしたまま寝てしまった。 飲み過ぎたのか顔も浮腫んでいる。 とりあえず何か着るもの・・・ ちらりとさっきまでいたベッドの辺りに目をやるが ベッド脇辺りに落ちているであろう 自分の服たちをあの暗闇で探すのは難しいとげんなりし、 洗面所の引き出しにバスローブがないか探す。 すぐに真っ白なふかふかのタオル生地のバスローブが出てきた。 それを羽織って紐を結びながら、 なんか、慣れてるオンナみたいだな・・・ そう思いつつも、裸であっちの部屋に戻ることなんて 私には不可能。 目の下にこびりついたマスカラを 備え付けの綿棒で軽く拭い 髪の毛を手櫛で整えた。 もう一度、鏡を覗きこむと そこには何があったかも、よくわからない状況で ホテルに男性といるというのに どこか冷静な表情を浮かべた私の顔があった。 自分でもそんな自分を不思議に感じながら あの人のいる部屋に戻った。
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